肢別過去問集
行政書士試験の過去問題集として、下記が有名であると思います。
〇合格革命 行政書士 肢別過去問集
〇 出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集
① 合格革命 行政書士 肢別過去問集
初めは、肢別の読み方も あしべつ なのか しべつ なのか不安な感じでしたが、結構有名な問題集だったようです。
何が違うのかな?と思っていました。(そもそも行政書士試験の出題の仕方も良く分かっていなかったのです💦)
行政書士試験では、 択一といって基本的には設問に対して5つの解答が用意されていて、そのうちのどれが正解なのか?を問われる問題があります。その5つの解答をバラバラにしたものがこちらですね。だから肢別という名前なんですね。
②出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集
こちらは①と別に行政書士試験の出題に沿った形そのままの過去問題集ということですね。
いくつかちまたでは、どちらが良いのか?という議論があるようです。自分もそれらの意見を聞いて一長一短あるにしても①の肢別を選択しました。
結局、どちらも過去問なので、どちらが優れているということも無いんだろうなと思います。
ただ、結局のところ、その設問を深く理解できているか?をどう会得していくかによるのだろうと思います。
行政書士試験の択一において、
設問1 行政手続法が規定する申請に対する処分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。
②行政庁は、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが要件とされている処分を行う場合には、それらの者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
③行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請にかかる審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
④行政庁は、申請をしようとする者の求めに応じ、申請者の記載および添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。
⑤行政庁は、申請者の求めに応じ、申請の処理が標準処理期間を徒過した理由を通知しなければならない。
(本試験2013年問12)
(正解は: ⑤ )
このような問題で答えが⑤と導き出せるのはどうしてでしょうか?
⑤が明確に通知する必要がない! と知っているから でしょうか? その他の①~⑤が正しいと理解していたからでしょうか?最終的にはどちらでも良いと思います。①~④を知らなくても(答えられなくても)⑤が明確に分かっていれば良いだけでも同じです。
が、この問題と選択肢のセットは、おそらく何度も無いと思われます。
そもそも設問が誤っているものを探すのではなく、正しいものを探すとされることもあるでしょうし、①~⑤の問いかけを少し変えてきたりすることもあるかと思います。それなので、個人的には、この問題をもう少し理解していなければいけないと思います。
①行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。
この肢では、行政手続法においては、いつから審査を開始すべきか?を理解しているか?が訊かれています。
・到達したとき なのか? 受理したときのようなものなのか?
・遅滞なく なのか? 直ちになのか?どのようなタイミングなのか?
・そもそも審査を開始 しなければならない のか することができる なのか
このように細かく訊き方を変えるだけで正しくもなり間違いにもなってしまいます。
②行政庁は、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが要件とされている処分を行う場合には、それらの者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。
これはどうでしょうか?このような条文があったことを知っているのか?聞いたことも無いのか?で変わってきます。
(行政手続法10条 公聴会の開催等)
③行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請にかかる審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
これも9条の情報の提供についての理解ができているか?を問われていますね。
④行政庁は、申請をしようとする者の求めに応じ、申請者の記載および添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。
③と同じように9条2項についての理解を問うものですね。
⑤行政庁は、申請者の求めに応じ、申請の処理が標準処理期間を徒過した理由を通知しなければならない。
このような条文がありそうですが、実際にはありませんね。そのことをしっかり理解できているかどうか?を聞かれています。
たった1問でもこれだけのことを聞かれているという事が分かります。試験勉強をする段階においては、答えが5だ!と分かるだけではいけないのだろうと思います。しっかり聞かれている事や条文を理解できているか?を固めていく必要があると思います。
自分自身、恥ずかしながら1年目はそのあたりの準備が不足していて、肢別過去問をたくさん回転させることで”知識”が増えていくという錯覚に陥っていました。そうではなく、個々の問題をしっかり深く理解できているのかが大事になってくると思います。それができるのであれば、ウォーク問で本試験と同じ形式で慣れていくということも大事なのかもしれません。
こういう理解ができていることが大事なので、初めはウォーク問で回答していく前に各問題を理解できているかを試していくために肢別を理解しながら進めていくという事が大事なように思います。
ただ、結構大変なので、初めは1冊1巡するのに1か月程度かかりました。そのため、これもよく言われているように初めの1巡目2巡目は読み物として質問と回答を読んでいくような作業が必要かと思います。